- 柚木麻子さんってどんな人?
- どんな人におすすめですか?
- どれから読めばいいのかわかりません
この記事を最後までお読みいただければ、読んでみたい本が見つかるかもしれません。
柚木麻子さんてどんな人?
柚木麻子(ゆずきあさこ)さんは日本の小説家です。
東京都世田谷区に生まれ、恵泉女学園中学校・高等学校、立教大学文学部フランス文学科を卒業しています。
在学中から脚本家を目指してシナリオセンターに通い、ドラマのプロットライターを務めたこともあったそうです。
卒業後は、製菓メーカーへの就職を経て、塾講師や契約社員などをしながら小説の賞に応募。2008年に第88回オール讀物新人賞を受賞しました。受賞作「フォーゲットミー、ノットブルー」を含む初の単行本『終点のあの子』が2010年に刊行されています。
ドラマ化された作品には『嘆きの美女』『ランチのアッコちゃん』『王妃の帰還』があります。
また、おすすめにも書いている『ナイルパーチの女子会』は水川あさみ、山田真歩主演で2021年1月にBSテレ東にてオンエアされることが決まっています。
2020年11月現在20作品が世に出ています。
こんな人におすすめ
- 女子校出身者
- 女同士の社会で生きてきた人
- 女の見栄やプライド、劣等感をのぞき見したい人
作者自身の経歴も影響しているのか、私立女子校育ちのバックグラウンドを持つ登場人物が多い印象です。
また、女同士特融の見栄やプライド、劣等感といった部分を描くのが非常にうまく、時に狂気をはらんだそれに一気に引き込まれます。
舞台となる場所は、世田谷線沿線、渋谷円山町、神仙付近、田園都市線沿線などが多いです。
おすすめ本
それではおすすめの本を紹介します。
ランキング順位まではつけられなかったですが、どれも柚木麻子ワールド全開の作品を選びました。
けむたい後輩
自らの手でつかみ取らなかったものなんて、いずれ意味も価値も失うに決まっているのに
中学生の時に一度詩集を出版し、そこから創作らしい創作をしないまま大学生になってしまった栞子と、そんな栞子を神様のように崇拝する後輩の真実子。
自分の後ろを鳥のヒナのようについてくる真美子を近くに置いておきたい栞子なのに、真美子は自分が教えたことをどんどん吸収して、いつの間にか自分の前を歩き出します。
中高大一貫の私立女子校を舞台に描かれており、似たような環境で育った人には懐かしい空気を感じるかも。
ナイルパーチの女子会
水槽の中で、二匹のナイルパーチがすれ違う。お互いの目を少しも見ないで、すれすれのところで、ため息が出るほど器用にすれ違う。やはり、そこにも暗黙のルールが存在しているように見えた。
総合商社に正社員として勤める三十歳の栄利子と「おひょう」というペンネームでブログを更新する同い年で専業主婦の翔子。
自分が持っていないものを相手が持っている気がしてお互いに興味を持つ二人。でも、近づけば近づくほど関係性は狂っていって・・・。
題名のナイルパーチとは、アフリカ産のどう猛な肉食魚のこと。昔日本にも多く輸入され、「白身魚」と表記されて市場に出回っていたそうです。あまりに狂暴なため、生態系を壊してしまうその魚と、彼女たちの生きざまが絶妙に重なり合います。
最後に希望を感じることの出来る作品です。
本屋さんのダイアナ
本当に怖いのは、狭い世界で満足して、自分で自分の目隠しをしてしまうことよ
“ほんもの”が分かる人に、と大切に育てられているけれど、ちっともその良さが分からない彩子と、16歳差の水商売の母親を持ち、行方不明の父親にいつか会いに行くことを夢見る文学少女、大穴(ダイアナ)。
お互いの生活に憧れを抱き、家を行き来しながら小学校高学年を過ごす2人。
しかし、彩子の私立中学進学を機に仲は疎遠になり、次に会話をしたのは10年もの月日が流れた後でした。
テーマは自分にかけられた呪い。
赤毛のアンと親友のダイアナのような2人が、背負っていた呪縛を自らの力で振り払った時に、新しい人生が目の前に開けます。
読後、さっぱりとした気分になる一冊です。
ランチのアッコちゃん
ダメって思ったら、ぱっと離れて、次の手考える! いちいち、落ち込まない!
アッコちゃんという一人の女性が4つの話を通じて登場する短編集です。
最初から最後まで登場するお話もあれば、一瞬だけ登場するお話もありますが、どれも都会の中での人と人の触れ合いを描いています。
柚木作品の中では「陽」の部分が強い作品なので、(女の妬みとか嫉妬はちょっと・・・。もう少し気軽に作品を楽しみたい)という方におすすめの一冊。
BUTTER
食べ歩きが好きで料理好きでふくよかな体型。それだけ聞くと、大抵の男は「家庭的」でおっとりした女だと勝手に想像を膨らませる。自分たちを凌駕するような内面を秘めているわけはなかろう、と油断する。でも、本当にそうだろうか。
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。
若くも美しもない彼女がなぜこのような犯罪を実行出来たのか。
週刊誌記者の町田里香は、親友怜子の助言を元にカジマナの面会を取り付けます。カジマナの元に通ううちに内面も外見も少しずつ変わっていく里香。
エシレバターを炊きたての白米に乗せて、お醤油を一滴垂らして食べるなど、魅惑的で濃厚なバターの香りに満ちた作品です。
まとめ
今回は柚木麻子さんの小説を5冊紹介しました。
おすすめが増えたら、更新しますね。