【わかりやすく説明!】DXとは

この記事で解決できるお悩み
  • DXって何?
  • やらないと何がまずいの?
  • わかりやすく説明してほしい

この記事では当たり前に聞くようになったDXについて、分かりやすく説明します。

DXレポート

2019年3月に経産省からあるレポートがアップロードされました。
それが『DXレポート』と呼ばれる一連の報告書です。
ただこのレポート、ダメなパワポの典型のような資料なので、読むのがかなりしんどいと思います。
今日は要点だけピックアップして、説明をします。


また、2020年3月30日号の日経ビジネスでも『DXって何?』という特集が組まれているので、こちらの記事も参考にしながら説明をしていきたいと思います。

DXとは?

まず、DXの意味と言葉の定義から抑えていきましょう。
日経ビジネスによると、DXとは下記であると説明されています。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、デジタル技術を駆使して劇的な変化を主体的に起こそうとすることである。​
Transformation(変身)の意味を取り違えないこと。部分最適ではなく全体最適を行うことが真のDXである。​

ある部署の紙書類を電子化する、とか、ある部署で毎日行っている業務を自動化する、とか、そういうことではありませんよ、ということです。
会社全体を見渡して、何をどう変えていくのか考える。必要な個所に必要なIT投資をする、というのがDXです。

2025年の崖

DXを考える時に忘れてはいけないのが『2025年の崖』と呼ばれる話です。
DXは、「いつか」「余裕が出来た時に」やれば良い話ではなく、『2025年までに』というタイムリミットがある話なのです。

なぜ2025年なのでしょうか。
現在の各企業のITシステムはイケていない物が多いです。
パソコンを使って業務を行うようになってから早20年。その間に、新しいシステムが作られ、古いシステムと無理やり連携させて使ったり、連携させるのは難しいのでExcelマクロを組んでデータを加工したり・・・。
あらゆるデータが色々な場所に点在しています。さらに言えば、同じようなデータを扱っているシステムもあるかもしれません。
予算や体制の関係でシンプルに作り直せない。グランドデザインを誰も描けないので、いつも局所的な取組で終わっている。
そういうツケが一気にくるのが2025年ですよ、というのが『2025年の崖』です。

2025年の崖とは
2025年以降、最大で年間12兆円の経済的損失が生じる可能性もあると言われる問題です。

  • 既存システムがブラックボックス化し、誰も全体を把握出来ない
  • 保守費用が膨大に膨れ上がっている
  • システム更新も簡単に出来ない
  • データを適切に管理出来ていないので、似たようなデータがあちこちにある
  • これらを整理するIT人材の不足

こういった原因から、多額の経済損失と機会損失が懸念されています。
この問題全体のことを「2025年の崖」と言います。

DXはどう進めていけば良いのか

ここまでで、どうやら本気で考えないとダメそうだ、ということが分かったと思います。
では、どうして行くべきなのでしょうか。
経産省の資料ではDX実現のためのステップが記されています。

STEP.1
準備期間
「見える化」指標による診断・仕分け
「DX推進・システムガイドライン」を踏まえたプランニングや体制構築
システム刷新計画策定
共通プラットフォームの策定
STEP.2
実行期間
DXを経営の最優先課題とし実行
不要なシステムを廃棄したり、段階的な刷新を検討
実現のためにキーワードとなってくるのは「クラウド」「モバイル」「AI」「マイクロサービス」「アジャイル」と言ったところでしょうか。

各企業の感覚と取り組み

日経ビジネスに各企業の感覚と取り組みをアンケートした結果が載っていました。

まず、自社が競争力を維持できる年数についてですが、ほとんどの企業が「5年ももたない」と考えていることがわかります。

しかし、実際にDXに取り組めているかというアンケートには上記の通り。

このアンケートが行われたのは新型コロナウイルスの影響が色濃く出る前なので、今アンケートを行えばもう少し多くの企業がDXへの取り組みを回答するかもしれませんが、ほとんどの会社が何も出来ていません。

何かやらないといけないのは分かっているけれど、動いているものはないというのが現状なようです。

DX成功と失敗のポイント

どうやら、早く取り組めばその分アドバンテージを獲得することが出来そうです。
では、DXはどうやったら進められるのでしょうか。

DX成功のポイントは下記の4点だそうです。

DX成功のポイント
  • 5年後のビジョンを鮮明に描く
  • 変革を促す
  • 手段を目的にしない
  • 人や組織の変革をおざなりにしない

そして、DXを停滞させる原因に5つのポイントがあげられています。

DXを停滞させる原因
  • ビジョンなきDX
  • 検討違いのDXトップ人選
  • DX推進部門と現業部門の高くて厚い壁
  • 維持できぬモチベーション
  • 古いままの基幹システム
「手段を目的にしない」というのは、よく陥りがちな間違いですよね。
DXはこの先企業が繁栄するための手段であるはずなのに、いつの間にか「DXをするためには?」という目的に置き換わってしまうという。
また、DX推進部門を作っても現場がついてこないという問題もあるそうです。
成功している企業の例を見ているとトップダウンで落としながら、現場の意見を聞いて行っていくのが一番良さそうでした。

まとめ

今日はDXとは何か、について簡単にまとめてみました。
各会社の文化や風土などもあると思うので、試行錯誤しながらやっていくしかないかもしれませんね。

また、クラウドやアジャイルといったスピード感のある開発を実行するには、「ローコード開発」も有用な手段だと考えています。

「ローコード開発」について知りたい方は、この記事も参考にしてみてください。
【わかりやすく説明!】ローコード開発とは

DXについての本も多く出版されています。
気になる方は読んでみると、より理解が深まるかもしれません。