- 次に読む本を探したい
- 気になる本の感想を知りたい
2021年に読んだ本を随時紹介していきます。
この記事を最後までお読みいただければ、気になる本が見つかるかもしれません。
目次
2021年に読んだ本リスト
鎌倉うずまき案内所
鎌倉うずまき案内所。それは、人生、仕事、結婚、子育てに「はぐれた」人だけが行ける不思議な所。
2019年~1989年までを6人の登場人物と共に遡る短編集です。古い年代から順番に読んでも面白いと聞いたので2回目はそうしてみようかな。
未来に先回りする思考法
人は未来を正確に予測することが出来ない。
しかし、社会が変化するパターンを見抜くことで少し先の未来に先回り出来る。
社会の変化を一本の線として考えるための原理原則をまとめた1冊です。
※Amazonプライム会員無料
失われた世界
人類がまだ知らない台地に、恐竜が生きている。
初出誌【ストランド・マガジン】の挿絵を復刻した新訳版
「本作を書くにあたって、現実世界の本当にあった話として読んでほしいと思っていた」という通り、リアリティ溢れる作品でした。
フクロウのいる部屋
「コトバ」という名前のフクロウと劇作家の二人暮らしを綴った本。
高木さんの、コトバへの愛情がしっかりと伝わって来ます。ペットではなく友達。そこには種を超えた絆があるのだと思いました。
キスギショウジ氏の生活と意見
移動する都市、呪いを飼う男、新聞蝶、裁判にかけられる神、駅のトイレの秘密
2021年初月にして最高の1冊に当たってしまった予感
しかもKindleUnlimitedで無料・・・。久しぶりにこのまま読み終わりたくないと願いました。
装丁とタイトルに魅かれて読んだ1冊でしたが、良質な短編集が揃っていてどれも夢中になって読みました。
「十五パズル」「公聴会」「アイウエオ」「OEの謎」「キスギショウジ氏の生活と意見」が特に好きです。星新一さんの最後ぞくっとさせるショートショートが好きな方は絶対ハマると思います。
TikTok 最強のSNSは中国から生まれる
■すべてのサービスは”動画化”していく
■検索からレコメンドへ変化していく
TikTokを例にこれからのSNSについて語った1冊。若者の文化でしょ?と思っている方は必読です。
この本で面白かったのは、サービス展開方法が国別の「ローカライゼーション」から世代別の「カテゴライゼーション」に変化して来ていること。若者の可処分時間の使い方に国ごとの違いが見られなくなり、日々の過ごし方が均質化(フラット化)してきているそうです。
インスタとTikTokで友達と繋がって、ネトフリで映画観る、みたいなことですね。
犬の系譜
1988年に出版された本で、唯一「ました」調の文体を使って書かれた私小説。
喧嘩をしているわけではないけれど、少しずれている家族のあり様を子供目線で鮮やかに切り取っています。あからさまに書きすぎてお兄さんたちからはクレームが入ったとか。
コンビニ人間
働かないのか、結婚しないのか、子供はまだなのか。
こういった圧力と生きにくさを感じる瞬間が日常生活にはあり、その感覚を小説という形で切り取ってみせた作品。自分が生きる場所がどこか分かっている。それ以上の幸せはないのでは?
世にも奇妙な君物語
CXで放送されている世にも奇妙な物語が大好きだという作者が、好きが高じて作ってしまった物語。
長い文章を読まなくなったネットユーザー向けのニュースを配信するライターが主人公の「13.5文字しか集中して読めな」が好きでした。
猫のお告げは樹の下で
登場人物が繋がる短編集。この展開こそ青山さんという気がして安心して読めます。
人生に迷える人へお告げの書かれたタラヨウの葉を渡す猫のミクジ。
みんな年齢も境遇もバラバラなのに、なぜか感情移入してしまうんですよね。
男性アイドルに夢中な中学生の娘と仲良くなりたい父親の話を描いた【チケット】が良かったです。お父さんのセリフがまたイケメンだった。
「お母さんのおなかにおまえがいるって知ってから、会うのがすごくすごく楽しみだったよ。大好きだって思ったよ。会ったこともないくせにな。」
ところで、【猫のお告げは樹の下で】に出てくる輝也パパは【木曜日にはココアを】にも出てきますよね。木曜日〜では輝也パパの奥さんが主人公になってますが。こうやって色々な作品が関係しているお話を読んでいくと、登場人物たちが本当にどこかで暮らしているように感じるから不思議。
— さんご書店 (@sangobookstore) January 23, 2021
この本を盗む者は
一気に引き込まれる圧倒的なストーリー展開。頭の中で構築される本の町と住人たち。これぞ”物語”という1冊でした。ファンタジー好きな全ての人におすすめしたいぐらい、私は良かった。読長町が本当にあったら行きたいし住みたい。
サマーウォーズやバケモノの子の細田守監督でアニメ化したら世界観がめちゃくちゃハマるんじゃないかと思いながら読んでいました。
地球に月が2つあったころ
調べながら、ゆっくり咀嚼するように読みました。表面が氷で覆われ氷下に間欠泉がある星、火山に覆われた星・・・。多種多様な太陽系の星々を巡る冒険の旅。
土星の衛星エンケラドゥスがお気に入りでした。
推し、燃ゆ
芥川賞受賞作品。「推しは背骨」という表現が作中に出てくるのですが、言い得て妙。推しという存在は好きではなく尊い。その表現たる所以が少しだけわかったかもしれません。主人公の生きづらさは苦しい。彼女がこの先幸せでありますように。
最後の秘境 東京藝大
卒業後、半分以上が行方不明になるという藝大。
「芸術」というものを突き詰めていく彼らの真摯な姿は、側から見るとプロであり天才。天才は楽しみながら苦しむ。
「アートとは人間同士が分かり合おうとする、優しい試み」
夜市
妖怪たちが様々な品物を売る「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。主人公は小学生の時に野球の才能と引き換えに弟を売ったーー
好みの世界観どんぴしゃりでした。
ホラーというより奇譚という表現がしっくりくるかなぁ。
新・日本の階級社会
様々な階級のデータを照合した上で「非階級社会」を目指すというのが本書の筋。
これを実現するには「格差は縮小すべき。格差拡大によって多くの社会問題が引き起こされる」と認識する、と。
貧困をテーマにした本は引き続き読みます。
東京貧困女子
新・日本の階級社会が「総論」なら、この本は「個人の物語」です。
ここに登場する女性たちは本当に厳しい状況に置かれていると感じました。
単なるデータではなく彼女たちの息遣いが感じられることがまた辛い。辛いと一言で言うのも憚られるほどに・・・。
変身
脳移植によって徐々にドナーの人格に乗っ取られていく物語。
脳の90%が自分のものでなくなっても、それは自分と言えるだろうか。その境界線とは。
10年ぶりの再読。変わらず面白かったです。
火星の人
映画しか観たことがなかったので改めて本で。
この主人公のなにがすごいかって、火星に一人ぼっちという絶望するような状況に置かれているのに「一つ一つ考えよう」「頑張ったからたくさん食べちゃおう」「今日はもう寝よう」と自分を整え続けるのですよね。
入社当時上司に言われた「どんな時でも寝食をまともに出来るやつが、一番強い」という言葉を思い出しました。
しかもこの主人公はユーモアも忘れないからね。最高だよ。
分解の哲学
私たちは足し算や掛け算の世界に生きていると考えがちだが、本当は引き算や割り算という分解のプロセスのなかにいるのでは?と問う一冊。
多角度から考察するので議題が幅広い。
興味ある話とない話があって、読み進めるのが辛い章もありました。
十角館の殺人
自分の中で期待値をあげすぎてしまった感がありました。
「1行の衝撃」も、可能だったことが実行されただけだったので「ああ、なるほど」となってしまいあまり驚けず。
不可能だと思われていることを犯人が可能にする、そんな驚きが欲しかったです。
注文の多い料理小説集
ご飯にまつわる短編集。色鮮やかな食べ物を丁寧に食べたくなるような、そんな物語が詰まっています。
「夏も近づく」と「色にいでにけり」が好きでした。
ご馳走様でした。大変美味しゅうございました。
本屋になりたい
那覇の牧志公設市場の向かいで古本屋を営む著者のエッセイ。
うんうん、いいなぁと思いながら読みました。
今は何でもグローバル。広く大きくが良いとされますが、こうやって目の前の人たちを幸せにする距離感も大切ですよね。
斜め屋敷の犯罪
トリックが大がかりでリアリティがない等の感想もあるようですが、私は最後まで楽しめました。
誰も訪ねてこない最北の地で起こる犯罪だからこそ、こんな展開もありかなと、作品の世界観に身を委ねることが出来ました。
阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし
これだけ名前の売れているお二人だと暮らしぶりも芸能人ぽく羽振りが良いのでは、と思っていたのですが、阿佐ヶ谷の六畳一間に同居していると聞いて興味を持ち、読んでみました。
こんな生活も楽しそう。
不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か
ロシア語の同時通訳者である米原さんが「通訳」について書いたエッセイ。
言語学的なお話から、実際の現場で冷や汗をかいた体験談まで、知られざる通訳の世界を面白おかしく紹介しています。
ボラード病
作中明記されているわけではないのですが、読んでいくと「東日本大震災」「原発」「同調圧力」といった言葉を連想してしまいます。
美しい言葉で蓋をして、しかしその下にはどす黒い何かが流れているような、そんな違和感を終始感じる小説。
夢見る帝国図書館
「図書館が主人公の小説を書いてほしい」年上の友人・喜和子さんにそう提案され、帝国図書館の歴史を紐解く小説を書き始める主人公。
戦後から現代までをなぞる上野の歴史小説でもあります。
久しぶりに図書館に行きたくなりました。
ポスト・コロナ時代 どこに住み、どう働くか
コロナによって社会はバーチャル・エコノミー中心への不可逆的な転換を迎えました。
そのような社会でタワマンのような効率化された縦の”箱”で暮らすことは幸せなのか?新しい住まいを考えたい人向けです。
本によると、住む場所を考える時に「1:10:100」という視点を持つと良いのだそうです。
1は住居から1キロ圏内。徒歩10分で何にアクセスできるか。10は交通手段を使って10分でアクセスできる場所に何があるか。
100は自動車や電車を使って100分のところに何があるか。
私は何があると幸せかな?
ファシリテーション超技術
次の会議から試したいと思える実践的な内容が盛り沢山でした。
会議で1番大切なことは、正しいか正しくないかではなく、みんなが納得できたか。ここを意識したいと思いました。
後、アジェンダの作り方は甘すぎたと反省しました。
かがみの孤城
言わずと知れた辻村さんの代表作。
最後の最後の最後まで、ほんっとうに良かった・・・!
一気に読んでしまいました。
居場所はここだけじゃないよって教えてくれる、そんなお話でした。
「たかが学校のことなのにね」
まとめ
2021年も時間が許す限りたくさんの本を読んでいきたいです。
皆さんもおすすめの本があったらぜひ教えてください!